4コママンガ

安いプライドは捨てよう!(4コママンガ)

 

安いプライドは捨てる

 

大家「よう、こんちは。溜まっている家賃なんだけどね。」

ピエロ男「あー、大家さん、すいません。仕事があと少しで決まるんで、もうちょっと待ってくれますか。」

大家「おいおい。あとちょっと、あとちょっとで、もう半年だよ。」

ピエロ男「どうも、すいませんです。」

大家「...。ところであんた、ピエロの手品ショーやってるんだってね?」

ピエロ男「そうなんです。いつの日か、そちらを本業にしたいとがんばってるんですよ。」

大家「ならさ、知り合いの幼稚園があるんだよ。そこで園児を前にそのピエロのマジックショーってのをやってくれないかい?やってくれたら、家賃を少し待ってもいいがね。」

ピエロ男「あー、すいませんね。わたし、子供相手のマジックショーはしない主義なんで。」

大家「子供相手の手品はできないのかい?」

ピエロ男「いえ、できます。できますけどね、やりたくないんです。これはわたしのポリシーといいますかね。」

大家「…あんたね、そんな安いプライドもっていると、いつまでも成功しないよ。

ピエロ男「安いプライドじゃあないですよ。ポリシーですから。」

大家「なにがポリシーだい!あんたの大きな目標は『ピエロで食えるようになること』だろ?ピエロとして人前でショーをする機会が増えるほど、ピエロで食える確率は高くなるってもんじゃないのか?それをだよ。ポリシーだかなんだで、観衆を選り好みしていたら、いつまでたってもピエロで食えるようにならねえよ。

ピエロ男「ま、確かに。」

大家「もしかしてあんた、電車で年寄りに席を譲らねえタイプじゃねえか?」

ピエロ男「ギクッ。よくわかりますね。だって、親切心で席を譲ろうと声をかけて、断られたら恥ずかしいじゃないですか?」

大家「やっぱそうか。だからそれも、安いプライドだっての。『人に優しくしたい』そういう立派な信念があるから、年寄りに席を譲ろうとするんだろ。断られて恥ずかしいとか、どうでもいいじゃないか。信念を貫いて行動することに意味があるんだよ。

ピエロ男「はぁ、なんだか分かるような気がします。自分の大目標の実現を妨げる安いプライド、こいつは捨てなきゃならないですね。」

大家「おっ、わかってくれたかい。じゃあ、幼稚園のマジックショーの話、受けてくれるな?」

ピエロ男「はい、よろこんで!これからはいろんな人にマジックショーを見せて、地道に有名になっていきますよ。そうだ!大家さんも今からボクのマジックショーをご覧になりませんか?胴体切断のマジックを覚えたんですよ。」

大家「あいや、ちょっと忙しいから失礼するよ!」