ブログ

長年のひどい下痢が改善された話、胆汁酸性下痢にコレバイン

胆汁酸性下痢の話~私がコレバインにたどり着くまでの話

注意!
以下は筆者の個人的な経験に基づく話です。
病気に対する自己診断は控え、お医者さんへ受診されることをおすすめいたします。

下痢に悩んだ私の黒歴史


生まれついての下痢持ちだった。
予想もしないときに便意はやってくる。ヤツは私に恥をかかせたり、冷や汗をかかせたり、トイレ探しに奔走させたりするのだ。
小中高と、授業中に便意をもよおす。授業を遮り、先生に手を挙げる。
「先生、トイレ行ってきていいですか」は日常茶飯事。
一回で腹が落ち着かないときも多々ある。授業中トイレを一日2回~3回なんてザラである。遠足のバスも止めてもらい、トイレに駆け込んだこともある。
もちろん、皆に笑われるし、バカにされる。
周りの皆と同じような食生活をしている。それなのになんで自分だけこうなるの?
不登校にはならなかった。ただ、引きこもりがちで、下痢を気にして外に活発に出られない。どちらかというと友だち付き合いが苦手で、一人でいるのが好きな人格形成が成されていった。
大学生にもなると、知恵をつけた。できるだけ飯を食わないようにするのだ。そうすれば、下痢の遭遇頻度はぐっと下がる。そして、家に帰るとドカ食いするようにした。
女の子とのデートでも、お構いなしに下痢はやってくる。あなた、ドライブデートで突然の下痢をもよおしたことありますか?まじ焦りますよ。しかも私の下痢の場合、まず1回ではおさまらないのだ。超恥ずかしいのである。
だから、ともに食事をするようなデートはしないようにした。
社会人になっても下痢は私を悩ませた。新人時代、避けられない上司たちとの会食、そこでもお腹がゆるくなり食事中に何回もトイレに中座して恥をかいたりもした。(怒られはしなかった。かえって心配されてひどく恐縮した)
そして、なんといっても通勤電車、朝はなるべく食わないか極力少量にするようにしたが、それでも下痢が襲ってくることがある。(少量飲んだ水分食物に誘発されるのだろうか)市販薬のストッパなどは全然効かない。
途中下車でトイレに駆け込むなんてしょっちゅうだ。駅間で電車が非常停止するのを非常に恐れるようになった。想像してほしい。トイレのない電車が駅間で長時間停車する。そのときに下痢に襲われる恐怖を。そうなったらそうなったで仕方あるまい、私は鞄に替えのズボンとパンツ、ビニール袋を常備するようになっていた。(幸い使用に至ったことは今までないが)

いろんなことを試してみたが…

もちろん、いろんなことを試した。
どの食べ物が下痢を誘発するか調べた。なんとなく脂っこい食品が下痢を誘発してそうだが、それだけではない。ほぼ全ての食品でそいつはやって来るのだ。
そして下痢は朝が多い。(朝以外ももちろんやってくるのだが)
口にものを入れなければ起きない、ごく少量食べれば起きにくい、というのもわかった。しかし、食べていかないといけないのだ。
学生の頃(数十年も前の話だ)、医者に相談したこともあるが、下痢を止める薬を出されただけだった。
一度人間ドックで便潜血に引っかかったので大腸内視鏡検査をしてもらったことがある。「これだけ頻繁に下痢をするんだ。なにか検査で大腸に異常が見つかるかも」そう思ったものの、検査では大腸になんの異常も見られず、腸壁もきれいなものだった。
もちろん、ネットでも徹底的に調べた。ネットに出ている下痢対策をいくつか取り入れてみたものの、私にとっては有効打とはならなかった。

ネットで知った胆汁酸性下痢のこと

中年をはるかに超え、いい年こいても下痢に悩まされ続ける日々。
ある日の夜、私はネットを開いて、なんか下痢の有効な対策は無いかなぁと性懲りもなく検索をかけていた。なぜなら、その日の朝、またも下痢に見舞われ、通勤電車を3回途中下車してトイレに駆け込んだのだ。「もう本当にイヤだ!私はこれからもずっと下痢に人生を邪魔されるのかい!?」そんな気持ちが私を懲りずにネット検索に向かわせたのだ。
「下痢対策」関連の語句でつらつらと検索を流していく。
初めて見るブログがあった。開いてみる。そこには、下痢の要因として小腸で吸収されない胆汁酸があると書いてある。
胆汁酸性下痢?
そこに書いてあった胆汁酸性下痢のメカニズムを読んでみた。
『胆汁酸は食事が腹に入ることで十二指腸に分泌される。そして分泌された胆汁酸は通常、小腸までで全て吸収されることになっている。ところが、胆嚢の摘出手術をした場合や体質などにより胆汁酸が小腸で吸収しきれずに大腸まで達する人もいる。そして、大腸まで達してしまった胆汁酸は大腸で下剤と同じ働きをしてしまう。こうしたことで、下痢を引き起こしてしまうのだ』とある。
自分には関係ないかなと思いつつ、その胆汁酸による下痢の症状を読む。
・食後(とくに朝食後)に下痢が起きる
・腹痛は伴わない
・排便すれば症状は軽快する
・下痢止めの薬は効かない
あれ?私の症状に酷似している。
もしかしたらいけるかもしれん!一筋の光明が差したのであった。
そして、胆汁酸性の下痢に対しては、大腸でこの胆汁酸を吸着してくれる薬が著効するのだという。(本来は高コレステロール血症の治療に用いる薬なのだとか)
その薬品名はコレバイン。

コレバインを海外通販で購入し、お試しで服用を開始した

本来、内科の先生に症状を話してコレバインを処方してもらうべきであるが、ネットでさらに深追いして調べると、内科の先生でも胆汁酸性下痢のことをご存じない先生が多く、理解いただけない(つまり処方してもらえない)ことも往々にしてあるようだ。
受診して空振りに終わるのもイヤだし、受診そのものが面倒くさかったので、私は薬の海外通販でコレバインを取り寄せることにした。
(もちろん、副作用や服用法についてよく調べたり、禁忌が自分に該当しないか熟読の上で注文しました。コレバインは比較的優しい薬だと思いますが、当然、服用上の注意点は諸々あります。)
コレバイン錠、1錠0.5グラムが100錠でだいたい1万円くらい。ネットで注文してだいたい2週間くらいで到着する。
通常は一日、1.5グラムから服用するそうだが、1日1錠0.5グラムから服用を開始した。
飲み方は、食前30分~1時間くらいに服用すると良いそうだ。
これはどういう原理かというと、胆汁酸を吸着してくれるコレバインを大腸で事前に待機させるためという。
つまりこういうことだ。
食事をする。食事に刺激された胆汁酸が過剰に分泌されて大腸まで達する。本来なら大腸にやってきた胆汁酸が下剤と同じ作用をしてひどい下痢が引き起こされる。ところがどっこい大腸にやってきた胆汁酸を待ち構えていたコレバインが吸着・回収してくれて胆汁酸性の下痢を未然に回避できるというわけだ。

やった!下痢が来ない!

服用を開始して1カ月、なんと下痢はほぼゼロになった!!
通勤の途中、下痢に見舞われ何回も駅のトイレに駆け込むことは皆無になった!会食も怖くなくなった!
とくに高たんぱくの肉とかを一定量超えて食べると、ほぼ下痢していたのだが、それが無くなった。これによりタンパク質の吸収が良くなったからであろうか、肌のツヤも良くなり髪のコシも出てきた感じがする。(これは主観的な評価である)
私のQOLは劇的に向上したのであった。
下痢の恐怖に怯えることがなくなったからであろう、心理的にも積極的になり、自然と仕事やプライベートの質が上がっていったのだ。
すごいぞ!コレバイン!ありがとう!コレバイン!

内科の先生にコレバインを求めにいったところ

海外通販でコレバインを購入した私だったが、あくまでこれは自己診断である。あまり望ましいこととはいえない。
できれば内科の先生の診断・処方をいただきたい。そんな思いが強くなってきた。
そこで意を決し、近所の消化器内科の専門医の先生のクリニックを受診し、症状と経過を詳細に話した。
すると先生は、「あぁ、それは胆汁酸性の下痢ですねぇ」とおっしゃり、あっさりコレバインを処方してくださった。(本来コレバインは高コレステロール血症の薬である。私の場合はLDLコレステロールがそう高い方ではないので、保険の適用はできず、自費での処方であった)
先にも書いたが、内科の先生の中でも胆汁酸性の下痢というのは周知されていないようだ。そういうところではコレバインを処方してもらうのは難しいと思う。
しかし、消化器内科の専門医の先生であったら、私を診てくださった先生のように胆汁酸性の下痢に詳しい先生がいる確率が高いだろう。
よって、胆汁酸性の下痢の相談をし、コレバインの処方を望まれるのであれば、消化器内科の専門医の先生を受診されることを強くおすすめする。
ちなみに先生はおっしゃった。「意外と多いんですよ。胆汁酸性下痢の人」と。

下痢で苦しんでいるあなた!もしかしたら胆汁酸性下痢ではありませんか?

そう、意外と多いが世間で知られていない胆汁酸性下痢。
下痢で人生の足を引っ張られている人がもしこれを読んでくださっていたら、ご自身の下痢の症状が私と似ていないか確認してほしい。
そして、もし自分が胆汁酸性下痢かもしれないと思ったら、消化器内科の専門医の先生に相談することを強くおすすめする。そこで診断をしていただき、コレバインを処方してもらうと良いですね。
(もちろん、胆汁酸性下痢の全ての人にコレバインが効くとはいえないのかもしれないが)
習慣性の下痢は確実に、その人のポテンシャルを何パーセントかそぎ落とす。外に出てアクティブに活動したいのに下痢を気に病んで出られない。人がたくさんいる静かな空間にいると自分のお腹の音が気になってしまう。だから、家に籠ってしまう。トイレが無い場所へ行くのがすごくこわい。こうした不安により、できないことが増えてしまうのだ。
今回の記事により、この世の何人かの人がつらい習慣性の下痢から少しでも解放されたなら幸いである。