悲報!コレバインが効かない!(※私的な経験談です)
前回のブログで、胆汁酸性下痢にはコレバインが効くという話をしたが、残念ながらこのコレバインが効かない時があるということを紹介したい。
※ちなみにこれは全て胆汁酸性下痢体質の私の経験・実体験から導かれた話である。経験から導かれた結論は、あくまで仮説・推測であり、科学的な裏付けはない。もちろん、全ての人に当てはまるわけでは決してない。参考程度にお読みいただけたら、幸いである。
コレバインが効かないパターン
では、どういう時にコレバインが効かないか?
以下の3つが挙げられる。
① コレバインの仕込みが遅かったとき
② コレバインの容量を超える胆汁酸が大腸にやってきたとき
③ 神経性の下痢のとき
これらにつき説明をしていく。
コレバインの作用のメカニズム
コレバインが効かないパターンを詳しく説明する前に、あらためて胆汁酸性下痢がどうして起きてしまうのか。それと、コレバインがどのようにしてこの胆汁酸性下痢を防ぐのかについて、解説したい。
すでにご存じの方は読み飛ばして欲しい。
胆汁酸性下痢はなぜ起きるのか
そもそも、胆汁酸は食事として入ってきた脂肪を吸収促進させる物質である。
この胆汁酸は食事が腹に入ることで十二指腸に分泌される。分泌された胆汁酸は通常、小腸までで全て吸収されることになっている。
ところが、胆嚢の摘出手術をした場合や体質などにより胆汁酸が小腸で吸収しきれずに大腸まで達する人もいる。そして、大腸まで達してしまった胆汁酸は大腸で下剤と同じ働きをしてしまう。
こうしたことで、下痢を引き起こしてしまうのだ
コレバインが胆汁酸性下痢の効くワケ
コレバインは消化管で陰イオン性の物質と結合する薬である。
これを食前に服用して、ひどい下痢の原因となる胆汁酸を大腸で吸着させるのだ。
つまり、こういうことだ。
食事をする。食事に刺激された胆汁酸が過剰に分泌されて大腸まで達する。本来なら大腸にやってきた胆汁酸が下剤と同じ作用をしてひどい下痢が引き起こされる。ところがどっこい大腸にやってきた胆汁酸を待ち構えていたコレバインが吸着・回収してくれて胆汁酸性の下痢を未然に回避できるというわけだ。
コレバインが効かないパターンその1 コレバインの仕込みが遅かったとき
コレバインが大腸まで達して、「来い来い、胆汁酸!キャッチするぞー!」となるのにはある程度の時間がかかる。
食事の直前にコレバインを仕込んでも遅いのだ。遅れると食事による胆汁酸がコレバインより先回りして大腸に達し、下痢を引き起こしてしまうことになる。
食事のどれくらい前に服用すべきかについては、自分の体質と相談して決めるのが良いのだが、だいたい30分~1時間前の服用が効果的といわれている。
コレバインが効かないパターンその2 コレバインの容量を超える胆汁酸が大腸にやってきたとき
当然のことながら、コレバインの服用量が少ないと、大腸にやってきた胆汁酸の全てを回収することができない。結果として、回収されなかった胆汁酸が大腸で下痢を引き起こすことになる。
なので、十分な量のコレバインを服用する必要があるのだ。
ただ、コレバインの服用量が多すぎると今度は便秘になるという話もあるし、なによりもったいない。
体質は人それぞれなので、自分にとって適切な量というのは、自分で経験しながら決めていくしかないようだ。
私の場合は朝、コレバイン錠を2錠(1錠が0.5グラムなので、1グラムである)服用している。これでだいたい問題はない。ちなみに夜に失敗できない会食があるときは、会食の1時間くらい前に1錠服用することにしている。
コレバインが効かないその3 神経性の下痢のとき
これまで長年下痢に苦しめられ、ようやくコレバインにたどり着かれた方々は間違いなく神経性の下痢も持っておられることと思う。
神経性の下痢、とはどういうことか。
たとえば、「これからトイレの無い満員電車に1時間乗らないといけない」であるとか、容易にトイレに行くことができないイベントを前にすると、頭の中の不安が副交感神経を刺激して、大腸の動きを活発にし、積極的過ぎる排便を促してしまうのだ。
長年下痢を患ってきた人は少なからず下痢のトラウマ(トイレに間に合わなかった。下痢で皆の前で恥をかいた。等々)が頭の中に刷り込まれている。
なので、トイレに行けない環境に長時間いることになったら、頭の中の不安感が神経を伝わるかのように反射的に大腸を刺激してしまうのだ。
私の場合においても、コレバインを服用開始しても、これは改善しなかった。いや、下痢にこそならないが、大腸の蠕動運動が亢進されて、何回も排便をしてしまうのだ。
では対策をいかにするべきか?
一つは時間に余裕を持って、排便しきること。一定量排便したら「もうこれ以上出ないな」という安心感・自信が生まれ、過剰な大腸の運動が鎮まると思う。
もう一つは市販の下痢止め薬であるストッパを服用することだ。
胆汁酸性下痢に対しては全く効果のないストッパであるが(※あくまで私感である)、成分の一つであるロートエキスが腸の異常収縮を抑え,腸内での便の移行スピードを抑えるので、大腸の運動が亢進する神経性の下痢に対しては有効であると思われる。